鬼島くんからの、『あの告白』以来、私の側には常に、鬼島くん・片桐くん・仲間くんが一緒にいた。

私は、勇気を出して、鬼島くんの『告白』を断ったにも関わらず‥‥‥‥。

鬼島くんの舎弟・仲間くんは、

「鬼島さんを振るなんて、ありえねー!!」

とか、言ってたけど‥‥‥‥‥。

ハァ〜!!

みんな怖くて、誰も私に近づかなくなった。

そりゃ、まあね。

天下の総番長様の『女』に無理矢理されてしまったからね。

でも、キヨちゃんだけは違った。

いつもと変わらずに接してくれる。

それが、せめてもの私の『救い』だろう。

それに、キヨちゃんは、あの鬼島くんに口答えもしてくれた。

「あんたがメグに『惚れた』おかげで、メグは『大迷惑』してるのよ!!っていうか、あんた、メグから離れなさいよね!!」

「イヤだ!!」

鬼島くんは、そう言った。

今、私は、鬼島くんが椅子に座って、その膝の上に乗せられて、後ろから抱きしめられている状態。

かなり、際どい体勢だ。

「なぁ、メグ。」

鬼島くんが耳元で囁く。

すでにもう『メグ』と呼び捨て。

「今日は『俺んち』来いよ!!」

「今日は、だっ、ダメ!!」

私は、必死に抵抗して言った。

「そうかぁ。ダメなのか‥‥‥。」

すると、鬼島くんはシュンッとなり、まるで、見捨てられた仔犬のような顔になる。

ズキンッ!!

そんな顔しないでよ!!

私の良心が傷むじゃない!!

「瑛ちゃん。あんまり、そんなに落ち込むなって!!今日は、俺たちが付き合ってやるからさ!!なっ、俊!?」

片桐くんがそう言うと、仲間くんは、急に張り切った様子になり、

「ハイッ!!鬼島さんの為なら『火の中水の中』、どこへでも行きます!!」

と、相変わらず、デカイ声で言った。

すると、鬼島くんは、私を膝から降ろすと、片桐くんたちと教室を出て、どこかへ行ってしまった。

鬼島くんは、一体、どこへ行ったんだろう!?

私は、そんなことを考えていた。