「…ところで、何故お嬢様は
〝コレ〟を知っておられるのですか?
僕、作ったことないですよね?
…屋敷でも見たことがありませんし…。
どういうことですか?お嬢様。」


私は、有頂天になり
かなり得意げにべらべらと
話し続けていたが、この言葉によって
全て折られてしまったのだった。
先ほどまでの有頂天が嘘のように
瓦解し崩れていき、動揺していく。
彼の目はそんな私を疑うように沈黙
しているようであった。そんな時…



「実は先日、これを外で私が
買ってきた時に食べさせてあげたの。
そしたら、ティアナちゃんすごく
喜んでくれたから作り方を今、
教えてあげてたってわけなの。
ごめんなさいね、私が
ティアナちゃんと一緒に作って、
アルトくんを驚かしてあげたいねって
提案したばっかりに…。」


彼女は全て言いくるめるかのように
舌を回らせ、言葉を続けた。




「…そうでしたか。こちらこそお嬢様
のためにありがとうございました。」