「さゆのペースに合わせてくれる人はきっといるから!」


そうゆんちゃんが励ましてくれているとき、


コンコンッ

「は~い、どうぞー」


ガチャッ

「有希子~爪切り貸してくれない?俺の見つかんなくてさ・・」


ゆんちゃんのお兄ちゃん、竜兄こと竜樹(たつき)さんが入ってきた。

「お邪魔してます」

私はぺこりと頭を下げる。


竜兄は、中学生のころから知り合いで、私にとってもお兄ちゃんみたいな存在。

「お~さゆちゃん!久しぶり~・・ってなんで泣いてるの?
まさか有希子が・・」


竜兄が、ゆんちゃんをにらみつけたので私は慌てて否定する。


「ちっ違うよ!これは、その、失恋のショックで・・」


うっ・・お兄ちゃんみたいな竜兄に恋愛関係のこと話すのって初めてで
ちょっと恥ずかしいかも