「あのころは、ごめんなさい!
連絡も、会うのも先輩に任せてばっかりで、不安にさせてしまって・・」


頭を下げる。



今なら、分かるんだ。


連絡が取れなくて、会えなくて不安な気持ち。





「・・いや、俺のほうこそ、さゆにはさゆのペースがあるのに
無理強いして悪かった。」


先輩も頭を下げる。




「いや、でも私が・・」

「いやいや俺が、」


なんだか謝り合戦みたいになってきて
二人で声を上げて笑う。




「さゆ、もう一度、俺と付き合ってくれないか?
今度は、さゆに合わせるから。」



真剣な顔で先輩に言われて
私はびっくりする。


「・・もう、嫌われたかと思ってました。」


「・・・嫌ってなんかないよ。ずっと後悔してた。」


気づくと先輩に抱きしめられていた。




「さゆ・・・俺ともう一度やり直してくれないか?」



先輩にそういってもらえて嬉しいけど。。



でも、やっぱり私は・・

「さゆは俺と付き合ってるんで。」

ぐいっと腕を掴まれて、

懐かしい匂いの胸の中に包まれた。