「映画、どうする?」

「え~と・・」


チケット売り場のスクリーンに映された、現在上演中の中から、
私は一つの映画に目が止まった。


それは、最近会社の同僚が「面白かった」って話しいてた恋愛ものの映画だった。


この映画館でもやってるんだな~
・・なんて思ってみていると


「あれにしよっか」

私の視線の先を見て、鳴海さんがそう言ってくれて、

「大人2枚」と言って、チケットも買ってくれた。


「すいません、私の分、払います」

私は慌ててバックから財布を取り出そうとした。



「いいよ、大丈夫だよ。」

優しく笑いながら、そう言って
「それより、手を繋いでくれたほうが嬉しいかな」

「はい」と手を差し出されて、

私も「はい」と思わず握り返した。


「チケット代、ありがとうございます」

上映するスクリーンへ向かう途中、手をつなぎながら鳴海さんにお礼を言う。


「いいえー」


・・・というか、映画もこれでよかったのかなあ?
アクション映画とかのほうが鳴海さん、絶対好きだよね?



と、上演前まで私は心配していたけど、、、