あの言葉を交わして春休みになり、今日とうとう始業式。

「おはよ〜っ絢香〜〜」

由花が後ろから抱きついてきた。
相変わらず朝から元気。

「おはよ。由花」

そう返事をすると、

「同じクラスになれるといいね〜」
「うんっ」

そう言われて私は元気に返事をした。

そして、あの席替え表を見に行った時のように、

「早く見に行こ〜〜〜〜〜〜!!」

と、手を引っ張られながら走って行った。


_____私のクラス3組だった。
由花は1組、尾田1組だった。
そして友利は2組。

由花と離れてしまって、寂しかったけど
2年の時に同じグループにいた女の子が何人かいたのですぐに馴染めた。

その頃から私は塾に通いだした。
1組の岩井亜子が同じ塾で同じ授業を受けていた。
その塾は結構フレンドリーな雰囲気で少人数で授業を受ける。
少し喋っても怒られない。
亜子とは1年生の時、仲が良かったから、もちろん私が尾田のことを好きなことを知っている。

でも尾田と席が近くなれば嫌味かのように
“今日弘輝がね”って話を始める。
私にはそれが苦痛でしかなくて、
その会話していたのに今まで私だったのに。
そう思ってしまう。
どんどん、亜子と話す事が怖くて辛くて避けてしまうようになった。

でも1度だけ、3年生になって話した事がある。
ほんとにほんのすこしだけ。
両方から開くドアの反対から顔を出していて、私が尾田の顔を挟んでしまって
そして

「離して欲しい??」

と意地悪に言うと

「離してください〜」

って笑いながら言ってきた。
その事が私は嬉しく、少しだけ元気になれた。