俺さ、彼女できたんだ
その言葉が頭にひびく。
俺さ彼女出来たんだ
かのじょ?
俺さ彼女出来たんだ
俺さ彼女出来たんだ
彼女って?
俺さ彼女出来たんだ
突然のこと過ぎてあたまがおいつかない。
ちょっと待って嘘でしょ
嘘でしょ嘘でしょ
ちょっと待ってよ
彼女?彼女できたの?
彼女ができた、
「かの、じょ」
気付いたら口に出していた。
「そう!
すげー可愛いの!一緒にいると癒されるし」
良太の声は生き生きしていた。
「応援してね!みおり!」
とてもまぶしい
輝かしい笑顔で私の方をみていう。
どくんどくんどくんどくんどくんどくんどくんどくんどくんどくんどくんどくん
「う、ん」
口から漏れた声をきいた彼は嬉しそうに私に笑顔を見せた。
『藍色』
バサッ
はぁっ、はぁっ、はぁっ
鞄をベットに思い切り叩きつけえ息を
あらげた。
良太に、彼女、できたの?
彼女?かのじょ?
良太に?
良太に?
良太に、彼女
「あ、あ、あぁぁぁぁぁぁあああ」
ベットに叩きつけた鞄を投げ捨てて
ベットを叩いた。
どすどすどす
ベッドがギシギシ揺れる
投げ捨てたバックをもって投げる
ドサドサッ
バックから教科書がもつれながらなだれてくる。
うまく出てこない教科書に腹が立って
教科書を握り潰す。
ぐしゃぐしゃぐしゃ
教科書のページが音をたててしわくちゃになっていく。
なんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんで、な、んで
「あ、あぁ、う、あ」
ただ出ていく涙とともに嗚咽が漏れる。
俺さ、彼女できたんだ
あの嬉しそうなかおが頭に浮かんだ。
嬉しいの?
嬉しいの?
良太、私よりその子がいいの?
いいの?
私は彼女になれなかった
私じゃない好きな子がいた。
うそ、そんなのうそ
嘘嘘嘘嘘嘘嘘
嘘でしょ?ねぇ?
「あぁぁぁぁぁぁあ、あ、ぁぁぁぁぁぁ」しきりに叫んでも涙は止まらなくて
ひっく、ひっく
枯れた声で泣きじゃくった。