なんか、気づかれたくなかったの。

セーラー服の制服はお姉さんみたいな
セーターとリボンとは比べ物にならないくらいダサくて幼稚だし。

私はスクールバックの手持ちを掴んだ。

「妹さん?」

お姉さんはよく見ると大人っぽいだけであんまり綺麗じゃない。化粧が濃いだけ。

お兄ちゃんには釣り合ってないよ。

心の中で言うけど、私には関係ないよね。

「そー、いもーと」

「え、」

ニヤニヤしながら嘘をつく優也君を
私は慌てて少しだけ睨む。

「ヘぇ〜、あんまり似てなくなぁい?」

う。

なに、この人…。

そりゃあ、私は優也君みたいに美形じゃないことくらい分かってるけど。

居心地悪くて私は逃げるようにして早足でふたりの横を通り過ぎた。