「ほい」

ソファに座った優也君にコントローラーを投げ渡されて、私は床に座った。

優也君がゲームを進めていく。

画面が切り替わり、
男の子と女の子のキャラクターが現れる。

どうやらバトルゲームらしい。

「まだ菜々子のキャラは作ってないから、これ使ってな」

「うん」

そのキャラクターは長い髪にぱっちりした目、
大人っぽい少し色気のある、赤色の戦闘服を着せられていた。

ふと、目線を上げて気づく。

男の子の方のキャラクターの上には
『ユーヤ』という名前がついている。

私のキャラクターの上には…

『マーヤ』という名前。

「ゆ、優也君」

「なに?」

聞くか聞かずか迷ったけど。

これは流石におかしい。