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2時間目が終わったあとの休み時間。
教室の前の廊下で、あたしは奈乃と立ち話をしていた。
あたしは思いきって、いままでのことをすべて奈乃に打ち明けた。
「ちょっと待って、結雨ちゃん……頭が混乱して……」
「だよね。待ちます、いくらでも待ちます」
あたしの話を聞いた奈乃は、驚きを隠せないようだった。
「じゃあ、こういうこと?結雨ちゃんは、浮気した二階堂先輩に復讐するために、湊くんと付き合ってるフリをしてたってこと?」
「はい、おっしゃるとおりです」
「湊くんも、よく引き受けてくれたね」
「おかげであたしは、悪魔に仕えるマッサージ師でしたけどね」
「ふふっ。ていうか湊くんと一緒に住んでたってこともびっくりだし、結雨ちゃんが復讐を計画したとか、ふたりが偽物カップルだったとか、もう何がなんだか……」
「ごめんね。なかなか言い出せなくて……」
胸の前で手を合わせて謝るあたしを見て、奈乃はため息をついた。
「それで、昨日は二階堂先輩の家に行って、本気の告白されて、そのあとキスされちゃったと……」