「……っ」
次第に熱を持ってジンジンし始める頬。
何が起こったのかわからなかったけど、口の中に血の味が広がって叩かれたんだと理解した。
手を上げられるのは初めてじゃないけど、何度味わっても痛みには慣れるもんじゃない。
なんで……あたしが。
「ははっ、ザマーミロ!」
「これに懲りたら、2度と人の男に手ぇ出すんじゃねーよ!」
「次はこんなもんじゃ済まさないから」
嫌味を言い残して彼女たちは立ち去った。
その瞬間、力が抜けて足がもつれヨタヨタと校舎の壁に背中を打ちつける。
痛かったけど、それよりも今は心の方が痛くて。
次第に鼻の奥がツンとして目頭が熱くなった。