そのあと授業に集中しようとしてみたけど、やっぱりスマホばかりが気になって仕方なかった。
来るわけないってわかっていても、海里からの連絡を期待してしまう。
来ていないのを確認してはため息の連続。
嫌われたんじゃないかって、そんな風にしか思えない。
他に打ち込めることがあったら少しは気が紛れるかもしれないけど、今のあたしのすべては海里だった。
「あ、ねぇ如月さん……!」
え……?
最後のロングホームルームの時、スマホばかり気にしていたあたしに誰かが声をかけて来た。
ビックリして思わず目を見開く。
だって、こんなことは初めてだったから。
「研修の班なんだけど、良かったら一緒に組まない?」
「え?あたしと……?」
目の前にいる2人の女子は、クラスの中でも目立つ部類の人。
あたしなんかに声をかけなくたって、組んでくれる人はたくさんいるだろうに。
どうして……?