特に女子は、顔は笑ってても心の中で何を考えているかわからないから怖い。
簡単に裏切る人はたくさんいるんだから。
「太陽と長町(ながまち)君、彼女ほったらかしてゲームに夢中とかありえないよね」
亜子ちゃんが頬を膨らませながら言う。
長町君とは、海里のことだ。
2人は格闘ゲームが好きで、あたしたちを放って行ってしまった。
他の女子2人も、どこかへ行ってしまった。
だから、ここにはあたしと亜子ちゃんと残りの男子しかいない。
「太陽の奴、後でとっちめてやるっ!それにしても。長町君から話を聞いてはいたけど、結愛ちゃんってホントに可愛いねー!亜子、こんな可愛い子と友達になれて嬉しいよ」
「…………」
友達……。
そう言われて嬉しいけど、複雑な気持ちも強い。
なにか裏があるんじゃないかって、疑ってしまっているあたしがいる。