「時間だな、そろそろ行かねーと。それに、これ以上したらやべーしな」
そう言いながら離れた海里の唇に名残惜しさを感じてしまう。
……もっとして欲しいよ。
取り返しがつかなくなるくらい、あたしを求めて欲しい。
好きだから。
大好きだから。
海里に必要とされることで、存在価値を見い出せるんだ。
海里が切って渡してくれたプリクラの中のあたしは、どれも赤い顔をしていて。
笑われたけど、そんなことさえも幸せでかけがえのない時間だった。
「ちーっす、海里ー!」
「かーいくーん!」
さらに奥に進むと、大きなメダル機の一角にたむろするガラの悪い高校生の集団が目に入った。
海里と同じ高校の制服で、こっちに向かって大きく手を振っている。