待ち合わせ場所は繁華街の中のゲーセン。


カラオケボックスやゲームセンター、カフェ、ファストフード店がたくさん並んでいて、常に人で溢れ返っている。


さらに待ち合わせ場所であるゲーセンは、色んな音で溢れて、たくさんのガラの悪い高校生でいっぱいだ。


地元だから中学の同級生がいないかとヒヤヒヤしたけど、そんなのはあたしの取り越し苦労だったみたい。


中学の頃、海里とよく来て遊んだゲーセン。


プリクラを撮ったり、カートゲームで競ったりUFOキャッチャーでぬいぐるみを取ってくれたり。


とにかくたくさんの思い出が詰まってる。



一台のプリクラ機の前に着いた時、海里があたしの腕を引いて中に入った。



「久しぶりにプリクラ撮ろうぜ」



「えっ?あ、うん!」



それだけのことで、嬉しくて頬が緩む。


海里はポケットから小銭を出すと、それをプリクラ機に投入した。



「好きに設定して」と言われて、明るさや目の大きさや背景を決めて行く。


なんだか久しぶりにデートっぽいことをしてるかも。


えへ。


嬉しいな。


たったこれだけのことで幸せな気持ちで満たされるあたしって、なんて単純なんだろう。


撮影タイムに入り、ルンルンで海里の隣に立つと急に肩を抱かれて引き寄せられた。



「え?ちょ……」



『撮影を始めるよーー3ーー2ーー1』



ーーカシャ



そんな音と、海里の顔が目の前に迫って来て唇を塞がれたのはほぼ同時。



ドキッと胸が高鳴って、思わず真っ赤になってしまった。



「ななな、なに……すんの」



「照れてんの?」



熱のこもった瞳で見つめられて、全身が一気に熱くなる。



「だ、だって……いきなりするから」



「ふはっ、かーわい」



「……っ」