「で?したのは、1人?2人?」
燈子ちゃんがそう聞く。
いや、さすがに、まだそんな……
でも、遙香はしれっと言ってのけた。
「2人。」
マジか!
ため息をついて、燈子ちゃんはこう言った。
「……わかった。もうそれ以上は、聞かない。遙香と関係した男は、これからは『一太郎』『二太郎』でいこう。」
「にたろう!(笑)」
奈津菜はツボに入ったらしく、ケラケラ笑い出した。
「ちょっと!聞いてよ!聞いて欲しくてしゃべってるねんから!」
遙香が両手を拳にして力説しようとしてる。
「……遙香がもったいぶるから……いいから、しゃべりよし。」
私がそう言うと、遙香はコホンと咳払いをして一気に言った。
「あのね、はじめての相手はついこないだまでの夏の甲子園で活躍してた人。プロのスカウトも来てるんだってー。大学野球行かはるかどうかまだわからんけど、プロ野球に入らはったら、何か誇らしくない?テレビで見るたびに、この人に女にされたんだ、って♪」
……あかん……言葉がマジで出ぇへん。
私たちとは全く感覚が違うらしい遙香は、3人がポカーンとしてるのをものすごく肯定的に受け取ったのだろう。
上機嫌でこう続けた。
「でもあんまり上手くなかったみたい。今の人がすごく上手くて気持ちいいから、最初の人、もう忘れちゃった。あのね~、お茶のお家元の次男と付き合ってるの~。」
うれしそうな遙香とは対照的に、私たちは冷ややかだった。
奈津菜は青ざめた顔で
「……救いようのない、バカオンナ……」
とつぶやいた。
私もまた、
「信じられへん。デリカシーなさすぎる。信じられんわ。」
と、繰り返した。
燈子ちゃんは、レモン入りペリエを飲み干してからまとめた。
「つまり、甲子園の星の『一太郎』とはそれっきりで、家元のあほぼん『二太郎』とはまだ繋がってるのね?」
「あほぼん、言うなー!」
遥香が、ぷーぷーふくれる。
「『一太郎』くんは高3?『二太郎』くんと本命くんは?」
私がそう聞くと、遥香はやっとしゃべれる!と、うれしそうに目をキラキラさせて言った。
「彼は……あ、『二太郎』さんね、高2。来年留学しはるからあと半年しか付き合えへんねん。でも期間限定って、なんか逆に燃えるみたい。毎日楽しいの!」
「本命くんは?」
『二太郎』くんと半年も続かんやろう……と思いながらも、重ねてそう聞くと、遥香は少し顔を曇らせた。
どうやら、本命くんとは思うように事が運ばないらしい。
「だから、相手にされてないってば。同じ高1やし、今はいいねん。時間はたっぷりあるもん。」
燈子ちゃんがそう聞く。
いや、さすがに、まだそんな……
でも、遙香はしれっと言ってのけた。
「2人。」
マジか!
ため息をついて、燈子ちゃんはこう言った。
「……わかった。もうそれ以上は、聞かない。遙香と関係した男は、これからは『一太郎』『二太郎』でいこう。」
「にたろう!(笑)」
奈津菜はツボに入ったらしく、ケラケラ笑い出した。
「ちょっと!聞いてよ!聞いて欲しくてしゃべってるねんから!」
遙香が両手を拳にして力説しようとしてる。
「……遙香がもったいぶるから……いいから、しゃべりよし。」
私がそう言うと、遙香はコホンと咳払いをして一気に言った。
「あのね、はじめての相手はついこないだまでの夏の甲子園で活躍してた人。プロのスカウトも来てるんだってー。大学野球行かはるかどうかまだわからんけど、プロ野球に入らはったら、何か誇らしくない?テレビで見るたびに、この人に女にされたんだ、って♪」
……あかん……言葉がマジで出ぇへん。
私たちとは全く感覚が違うらしい遙香は、3人がポカーンとしてるのをものすごく肯定的に受け取ったのだろう。
上機嫌でこう続けた。
「でもあんまり上手くなかったみたい。今の人がすごく上手くて気持ちいいから、最初の人、もう忘れちゃった。あのね~、お茶のお家元の次男と付き合ってるの~。」
うれしそうな遙香とは対照的に、私たちは冷ややかだった。
奈津菜は青ざめた顔で
「……救いようのない、バカオンナ……」
とつぶやいた。
私もまた、
「信じられへん。デリカシーなさすぎる。信じられんわ。」
と、繰り返した。
燈子ちゃんは、レモン入りペリエを飲み干してからまとめた。
「つまり、甲子園の星の『一太郎』とはそれっきりで、家元のあほぼん『二太郎』とはまだ繋がってるのね?」
「あほぼん、言うなー!」
遥香が、ぷーぷーふくれる。
「『一太郎』くんは高3?『二太郎』くんと本命くんは?」
私がそう聞くと、遥香はやっとしゃべれる!と、うれしそうに目をキラキラさせて言った。
「彼は……あ、『二太郎』さんね、高2。来年留学しはるからあと半年しか付き合えへんねん。でも期間限定って、なんか逆に燃えるみたい。毎日楽しいの!」
「本命くんは?」
『二太郎』くんと半年も続かんやろう……と思いながらも、重ねてそう聞くと、遥香は少し顔を曇らせた。
どうやら、本命くんとは思うように事が運ばないらしい。
「だから、相手にされてないってば。同じ高1やし、今はいいねん。時間はたっぷりあるもん。」