不思議に思ってると、今度はハッキリと女の子達が色めき立った。
階段のほうから竹原くんが登場した。
……また、女の子を引き連れて。
「おはよ~、あきちゃん。彩乃、あきちゃんを誘ったで。」
さらっと事後報告する竹原くんに、彩乃くんは苦笑いしていた。
「竹原くん……なんか、女の子たちからの視線が痛いんやけど……」
まさに言葉通り、「お取り巻き」?
「慣れて。害はないように言うとくから。それより、ずるくない?なんで、『セルジュ』『彩乃くん』で、俺だけ『竹原くん』なん?」
……竹原くんの言葉に私はたじろいだ。
なんで、って……うーん……
「本能的に壁作ってるんやろ。」
彩乃くんがぼそっとそう言ったので、私は笑った。
そうかもしれない。
人なつっこいし、ボディタッチ多いし、遙香の好きな人みたいやし。
「納得いかんわー。今のところメアド交換してるの俺だけやのに、なんで俺が一番距離おかれるわけ?」
竹原くんがそんな風に文句を言ってると、程なく快速急行が入ってきた。
すると、おもしろいぐらいに統率された動きを見せる女の子達。
乗客が降車して空いたスペースに整然と入りつつ、人1人が通れる道筋を作って並ぶ。
その先のボックスシート席にはセルジュが座っていて、爽やかな笑顔で挨拶をしてくれた。
「おはよう。」
同じボックスシートに座ってた女の子達が立ち上がり、席を譲ってくれた。
毎朝恒例なのだろうか……竹原くんはお礼を言って、彩乃くんは無表情で会釈して、座った。
「いや、私は、遠慮します。」
私にも座るように促してくれたけど、やっぱりこの状況でこの3人に交じる勇気はない。
てか、これ、なんだ?
「座って。他の子たちに迷惑やから。あきちゃんがそこに立ってると、障害物が1個余計にあるようなもんやから。」
障害物……。
私は、周囲の女の子たちに
「すみません、失礼します。」
と、頭を下げて、渋々座った。
「毎朝、こうなん?」
「うん。6月ぐらいからやっけ?」
竹原くんがすぐそばに立って居た女の子の聞くと、彼女はうれしそうにうなずいた。
……ファンとの触れ合い状態?
ぐるっと見回すと、この車両のほとんどが女の子!
みんながこっちを注視してる。
「なんか、この車両を私物化してる?怒られへん?」
そう聞くと、セルジュが笑顔で説明してくれた……その笑顔に周囲から悲鳴が上がった……マジか。
「逆だよ。最初は僕らが乗る車両に女性が集中して、電車のダイヤが乱れてしまってね。迷惑がかからないように、みんなで整列乗車するために彼女らが仕切ってくれたんだよ。」
そう言ってセルジュが振り返ると、後ろの座席に座っていた女の子たちが、頬を染めてぺこっと頭を下げた。
階段のほうから竹原くんが登場した。
……また、女の子を引き連れて。
「おはよ~、あきちゃん。彩乃、あきちゃんを誘ったで。」
さらっと事後報告する竹原くんに、彩乃くんは苦笑いしていた。
「竹原くん……なんか、女の子たちからの視線が痛いんやけど……」
まさに言葉通り、「お取り巻き」?
「慣れて。害はないように言うとくから。それより、ずるくない?なんで、『セルジュ』『彩乃くん』で、俺だけ『竹原くん』なん?」
……竹原くんの言葉に私はたじろいだ。
なんで、って……うーん……
「本能的に壁作ってるんやろ。」
彩乃くんがぼそっとそう言ったので、私は笑った。
そうかもしれない。
人なつっこいし、ボディタッチ多いし、遙香の好きな人みたいやし。
「納得いかんわー。今のところメアド交換してるの俺だけやのに、なんで俺が一番距離おかれるわけ?」
竹原くんがそんな風に文句を言ってると、程なく快速急行が入ってきた。
すると、おもしろいぐらいに統率された動きを見せる女の子達。
乗客が降車して空いたスペースに整然と入りつつ、人1人が通れる道筋を作って並ぶ。
その先のボックスシート席にはセルジュが座っていて、爽やかな笑顔で挨拶をしてくれた。
「おはよう。」
同じボックスシートに座ってた女の子達が立ち上がり、席を譲ってくれた。
毎朝恒例なのだろうか……竹原くんはお礼を言って、彩乃くんは無表情で会釈して、座った。
「いや、私は、遠慮します。」
私にも座るように促してくれたけど、やっぱりこの状況でこの3人に交じる勇気はない。
てか、これ、なんだ?
「座って。他の子たちに迷惑やから。あきちゃんがそこに立ってると、障害物が1個余計にあるようなもんやから。」
障害物……。
私は、周囲の女の子たちに
「すみません、失礼します。」
と、頭を下げて、渋々座った。
「毎朝、こうなん?」
「うん。6月ぐらいからやっけ?」
竹原くんがすぐそばに立って居た女の子の聞くと、彼女はうれしそうにうなずいた。
……ファンとの触れ合い状態?
ぐるっと見回すと、この車両のほとんどが女の子!
みんながこっちを注視してる。
「なんか、この車両を私物化してる?怒られへん?」
そう聞くと、セルジュが笑顔で説明してくれた……その笑顔に周囲から悲鳴が上がった……マジか。
「逆だよ。最初は僕らが乗る車両に女性が集中して、電車のダイヤが乱れてしまってね。迷惑がかからないように、みんなで整列乗車するために彼女らが仕切ってくれたんだよ。」
そう言ってセルジュが振り返ると、後ろの座席に座っていた女の子たちが、頬を染めてぺこっと頭を下げた。