「どうしたの未菜ちゃん?」



瀬川は未菜に声をかけていた。



「...須藤先輩は...」



嘘だろ。

まさか怪我のこと言う気じゃ!!



「やめろっっ!!」



「足怪我してます!!」



俺の言葉は虚しく響いた。



それと同時にみんな俺の方を向く。



「...そうなのか?」



「足見せて」



長沢は俺の足を見た。

テーピングで固定された足を。



「なにこれ...」



もう俺はなにも言えなかった。



「長沢、お前次の試合棄権しろ」



ほら...やっぱり。

部長は俺にそう告げた。

俺は悔しくて悔しくて、役立たずの俺に腹が立ち下を向くことしか出来ない。



「長沢には悪いがそれで良いか?」



「はい」



「......ごめん...長沢...」