何で、待ってるの?
二人で歩いていても、特に会話はない。
この沈黙が本当に苦手だ。
吉川先生みたいに、話してくれる方がまだいい。
先輩は、本当に話さない。
会話のネタを一生懸命探すが、何も出てこない。
「何、困ってるんだよ」
突然、先輩がポツリと言い、私は先輩を見上げた。
先輩は、笑っていた。
え、笑ってる……?
「へ?」
「さっきから、花子の顔ずっと見てた。困った顔してるな」
ずっと見てた?
やだ、恥ずかしい……。
私は頬が赤くなるのを感じた。
どんな顔してたの、私。恥ずかし、恥ずかしい、恥ずかしい。