『和葉、今日のレポートってさ、』






『これだよ。』








『お願い!今日だけ見せて!』






『もー、仕方ないな。』






私は一ノ瀬和葉。
高校3年。





そして、こっちは中原千結。
私の幼馴染。






『こないだ未央ちゃんがさ!』





『うん?』





『千結くん頼りになる!って言ってくれたんだよ。』





『そうなの?』





私は恋愛は聞く専門で、初恋なんてしたこともない。
だから、千結の話を聞いてもイマイチピンと来なくて。






『…なぁ、和葉は好きなヤツとかいないの?』





『…んー、いないかな。』





三年間過ごしてていないのは、この学校では出来ないってことなのかもしれない。






『今のところは…』





『千結!!』





『郁、どうした?わり、和葉ちょっと待ってて。』






そう言って千結は友達の方にかけていった。





『かーずは。』





『芽生!どしたの?』




『また中原に変な事言われてたんでしょー。』




『恋はしてないのかって聞かれただけだよ。』




『和葉は聞く専門だもんねー。』





日野原芽生。
高校からの友達。






『和葉お待たせ!って、日野原じゃん。』




『また和葉のこと悪い方に染めようとしてるんでしょ。和葉は純粋なんだからね。』





『してねーよ。和葉帰るぞー。』





千結は私の腕を引っ張って教室を後にした。