「ほう?お前、『ハーフ・ヴァンパイア』か?」

ルイは、冷笑を深く浮かべながら、私を『観察』していた。

その私を蔑む冷たい金色の瞳。

私は、ゾクリッとした。

「ヴァン。」

ルイは、もう一人のヴァンパイアの名前を呼ぶと、

「その『ハーフ・ヴァンパイア』を捕らえよ!!」

そう命令した。

「!?」

私はビクリッと震えたが、佳那汰がいち速く、間に入ってきた。

「陽菜に触るな!!何するつもりだよ!!」

そう言うと、戦闘体勢に入った。

すると、ルイは、

「『人間の分際』で、この『私』に逆らう気か?」

そう言うと、より一層、その金色の瞳が冷たく光り、さらに深く冷笑を浮かべた。

「ヤメろ、ルイ!!こいつらは関係ないだろ?」

と、クリスが必死に叫ぶ。

すると、ルイは、クリスを見ると、

「まぁ、そうだな。『こやつ』のことは、『お前』を『始末』した後でよいな。」

そう言い放った。

「来い、ルイ!!」

そう言うと、クリスは2階の窓からヒラリッと飛び降りた。

ルイとヴァンも同じく、飛び降りて、クリスを追った。

「なっ!?ウソだろ?アイツら、2階から飛び降りるとか、ありえねー!!」

大和が、2階の窓に駆け寄り、クリスたちが飛び降りて行くさまを見つめていた。

「佳那汰、大和、お願い!!クリスを助けて!!」

私は、必死に二人に懇願した。

すると、二人は、

「うん!!陽菜の頼みだもんね!!ボクは構わないよ!!大和はどうするの!?」

佳那汰はニンマリ笑うと、そう言い、大和に聞く。

大和もニッと笑い、

「陽菜に頼まれて、俺が断るとでも、そう思ってるのか?」

そう答えた。

そして、私たちはクリスを助けるべく、行動に移したのだった。

それが、私たちと、『ヴァンパイア』たちとの『戦い』の幕開けだった。