初夏の陽気になって来た。

そして、私加茂川凜香は幼馴染みの加賀山 涼太の家に遊びに来ていた。

「今年こそ夏休みらしい夏休みを送りたいな~」

そんな話を涼太と話していると…

「おんぎゃ~あ~う~」

今の泣き声、まさか赤ちゃん?

「ねぇ~涼太ん家の近所に、赤ちゃん何かいたっけ?」

「いや、いないけど…。」

じゃあ、今の声はいったい誰の…。

「涼太!ちょっと外に行ってみよう!」

「え、ちょっと待てよ!」

私は、超特急で走って行った。

「あ、いた!」

赤ちゃんが二人、段ボールの中に入れられていた。

「涼太!赤ちゃんが、赤ちゃんが段ボールの中に!」

「はぁ!?何でこんな何処に赤ちゃんが?」

赤ちゃんに触ると、日陰だった事もありすっかり冷えていた。

「赤ちゃん寒そうだし連れていこうよ!」

「そ、そうだな」

急いで、涼太の家に連れて行った。

「母さん、大変だよ!取り敢えず毛布持ってきて~」

「どうしたの?川にでも落ちたの?」

そうして涼太ママが、毛布を持ってくると赤ちゃんをみてビックリした。

「そ、その赤ちゃんは誰の?」

「この段ボールに入れられてたんだよ」

「かなり冷えちゃってるみたいで…。」

そう言うと、すぐに毛布にくるめてくれた。
私は、いきなり色々な事が起きていて頭が混乱していた。

「取り敢えず寝たみたいだね。」

「この子達はどうして段ボール何かに…。」

そんな事を言っていると紙切れが入っているのに気づいた。

「これ、メモ?」

「何か書いてある。」

『この子達を諸事情により育てられない。
お金はこの口座に振り込んでいくから育ててほしい。
この子達が14歳になったら迎えにいく、名前はまだない。
5月8日生まれの女の子と男の子だ。では、よろしく頼む』

と書いてあった。

「名前無いんだ~じゃあ付けてあげよう!」

「そうだね、じゃあ女の子は凜香が。男の子は僕が考えるよ。」

名前付けか…私ネーミングセンス無いって言われるんだよな…。

「僕は、決まったけど決まった?」

「えぇ!?もう決めたの!?」

いくらなんでも早すぎだよ。

「だって、約1ヶ月名前無いんだよ?いくらなんでも可愛そうでしょ…。」

確かにそうだけど、名前って一生使うものだから…。


「私も決まったよ!」

「じゃあ、僕からね。遥(はるか)」

「次、私ね。愛(まな)」

遥に愛か…。良い名前!

「このメモによれば、星が姉みたいだよ」

「ちなみに今さらだけどさ涼太。誰が育てるの?」

私馬鹿な質問したかな…涼太の顔が呆れた顔になった…。

「僕たちに決まってるじゃん!」

「やっぱり、じゃあ涼太パパだね!」

「凜香ママだね!」

何か急に不安になって来た。子育て何かやった事ないしどうすれば良いのか分かんないし…。

「取り敢えず保育園に…」

「あら、その必要は無いわよ?」

「何で?」

「何でって、母さんが保育園がわりに面倒見といてあげるからよ~」

涼太のママが、保育園がわりに世話をしてくれるのは非常に助かる。

「もう、アパートの契約もしてきたし四人暮らしの用意は準備万端よ!」

「準備良すぎだよ!」

これからの暮らし、不安だけど凄く楽しみです!