ザワザワ…



松竹座の千秋楽日。

「…はぁ…」

これでフラれたら完全立ち直れんかも…

ハッ。

今の私ってもしかして星スパなんちゃう?

あんなロマンティックちゃうし…笑

きゃあああああ!!!!!!

明かりが消えて歓声が響いた。

デビュー曲候補やった曲を歌い、新喜劇みたいなんが始まって。

とも君ではなく、今の私は大毅を目に焼き付けとった。

ほんまに、私の方が好きになってた。

「……」

あんな貶してたのに、私の目にはキラキラ輝いて見えた。

…明日、会えるかな?

魂も後半に入り、毎公演あるポスターの抽選。

「…約1000分の1…」

サイン付きやから欲しいよな〜

「今日はシゲが引いてやー!」

「え?俺!?」



ガサガサ…



絶対当てられたなかった。

いやいや…

「…一階4列27番さん」



…私やん。

「その席の子、立ってー!」

淳太様の指示やけど…

どうも立つ気になれん…



ザワザワ…



「あなたでしょ?立たへんの?」

隣の人に言われた。

立たなあかんよなぁ…?

「…はい。私です」

立ってから手を挙げた。

「…あっ」

「おりょ?」

「……!?」

はい、約3名。

他人とは思えん反応をしたメンバー。

「誰担なんー?」

てるしに質問され、緊張した。

うわぁ…ジャニスト全員こっち見てる…

「とっ……神ちゃんっ!」

とも君もこっちに手を振ってくれた。

…が…。

大毅は目線を合わせてくれんかった。

「ほな、帰りに受付でポスター貰って帰ってな♪」



パチパチ…



…当たったぁぁぁ!!!!って思ったのは、一瞬で。

大毅と一度だけ目があったほうが何とも嬉しかった。

「……」

もっと、もっと、早く大毅のこと好きって気付いたらよかった。