ザワザワ…



「え、渡辺って彼氏おるん?」

「この間街で男とおるとこ見た奴おるんやて!」

……

…大変なことになった。

「未依おっはー!」

「ち、千冬っ!!どないしよっ!!!?」

「あ?」

何で、誘われただけでこんなドキドキしてるん…?

「…なんかな…」

「ほーほー」

「前に出かけた時から、ずっと大毅の事ばっか考えて…魂の事も忘れたりして…」

ファミレスで千冬に話を聞いてもらった。

とも君への好きとは、またちゃう…

「恋やね〜♡」

……恋?

「恋って…こんなんなん…好き、やと思う…」

大毅の笑顔を思い出すと、胸がドキドキ高鳴る。

「返事、ちゃんと伝えなあかんで?」

「…うん!」

千冬に背中を押され、私は大毅に告白する事にした。

…なーんか変な感じやな。

アイドルに告白されるなんて…

「…楽しみ」

「なぁー、こっちとこっちどっちがええ?」

「げ…デート?」

弟にワンピースを見せた。

ピンクのふわふわしたやつと、白のシンプルなもの。

「とうとう姉ちゃんにも春が…」

「そ、そんなんちゃうから!」

だけど可愛くおりたかった。

手慣れた手つきでコテで巻いて大人ぶって、華奢なピアスをつけてメイクも頑張った。

「…よしっ!」

とうとう当日。

待ち合わせの15分前に着いてしまった。

「…早すぎたかな」