小説
真冬真っ只中の12月

午後7時過ぎぐらいの薄暗い廊下に中学最後のテストを間近にしたとある男女が居た。

「おせーなー早く進めよ、めんどくせーなー」
だるそうに文句を言いながら歩く龍夜。
「だって暗くて、何かでそーなんだもん」
怖なりながら龍夜の背中にぴったりくっつきながら歩くあかり。

これは幼馴染による少し甘い恋愛ストーリー。

時わさかのぼってあかりの家テスト前にして焦っていたあかりは、龍夜を呼んでテスト範囲の勉強を教えてもらっていた。

「だーかーらー、ここはこうだって」
龍夜は、とても頭がよくスポーツ万能《文武両道》とは、まさに龍夜にぴったりの言葉である。
その龍夜の夢は医者になること、そのために超エリート高学校に進学しようとしていた。
その龍夜についていこうとするあかりなのだがあかりの学年順位は、下から数えたほうが早いぐらいの《バカ》だった。

「もーわかんないよー、もー休憩!」
とあかりが漫画を取り出した時

バシッ‼︎

あかりの頭に龍夜の持っていた本が落ちた

「ばか、まだやりはじめて10分もたってねーよ、俺と同じ高校いきたいんじゃねーの?」

「いったーい、行きたいもん!」
再び勉強にとりかかろうとしたあかりの顔が険しくなった。

「あーーーー‼︎‼︎」
その声に驚いた龍夜の持っていた本が落ちた

「どうしたんだよ!?」
焦りながらもあかりに問いかけると
「もう一つのテキスト…学校…に、忘れた…」
「・・・・・・」
二人は、沈黙した、この大きな事態の大きさにはさすがの龍夜にもすぐには受け止められなかった。
「なにしてんだよ、ばか、まったくもー」
と少しキレ気味になった龍夜をみてあかりは、目が潤んでいた
必死に泣くのを我慢しているのがまるわかりだ。
謝ろうと口を開けようとした瞬間あかりの頭にさっきの本とはあきらかに違うとても優しくて暖かい龍夜の手があかりの頭を撫でていた。
「強く言いすぎた、悪かったな、
学校行こうか、テキスト取りに」
その行動、言葉それだけであかりの心の中に《好き》と言う幼馴染としてではなく恋愛的の好きに変わり恋をした。