柚「わかっている。」

人間どもはこの場所から移動するべく準備をし始めた。

父上が別れ際に念を飛ばした。

(柚月…)

(はい、父上。)


(すまない、私たちの力が及ばずーーー)

(いいえ、そのようなこと・・・
私とて同じです。頭領の娘なのに手も足も出なかった。

村人も父上たちも救うことができなかった。
お前に教えて置かなければならないことがある。

我々狐一族は
満月の日だけは

自分の力がコントロール出来ない。

特に
私たちの子供のお前ならなおさら
コントロールが難しいだろう。
一つだけその力をコントロールする方法がある。
それは、人間の血を飲むことだ。)