「なに!?娘だと・・・」

「そうだ。お前らの子であればさらに強いはずだ。
 娘を渡せば、女の命は助けてやる。娘を差し出さなければこの女は妖力を全部吸い取られて死ぬだけだ。」

私があいつらの言うことを聞けば、母上は・・・。
頭の中では母が助けられるなら自分はどうなってもいいと考えていた。

「お前が決断しろ。どうする。母をた助けるか、見殺しにするか」
 猿轡を外され、話せるようになった。

「私がお前たちについていく。
 父上、母上をどうかよろしくお願いします。」
今つくれる最大限の笑顔を父上に見せた。
「柚木っ。すまない…」
父上は首を垂れ両肩を震えながら涙を流していた。

「聞き分けがよくて助かる。だがな娘、我らを出し抜こうとすれば
 お前の両親の命はない。すべてはお前の行動次第だ。
 この意味が分かるな?」