「無駄なことだ、術をかけた人間でなければ解呪することは不可能。
 ましたやお前たち狐が助けることはできない。
 このままだと、この女は妖力を吸われ続け死ぬだろうな。」

そんなーー母上はこのままだと死んでしまう。
術を掛けられる前より顔は青白く汗ばんでいるように見え、
ぐったりとしている。
この男が言うことは本当かもしれない。

「お前らに力を貸そう・・・」

父上っーー。
猿轡をはめられているせいでうまく言葉が出てこない。

「ようやく状況が、今お前らが置かれている立場がわかったか。
 しかしな、頭領・・・我らに力を貸すのはお前じゃない。
 そこの娘のほうだ。」
私の方を向きながら男は喋った。