部屋からは物音ひとつしない…



まだ彼女は寝ているということだ。


山「出血の量が多かったか…


顔が青いままだ…だが…」


もう少し様子をみるしか手立てはないな。







山「副長…山崎です。」



副「怪我の状態はどうだ?」



山「率直に申し上げますが、

状態があまり良くありません。

全身に切り傷、刺し傷が深いのが3箇所
出血が多く血が足りていません。


さすがの私でも血はどうにもできずただ


見守ることしかできません。」



土「そうか…」


新撰組で数多の戦の怪我を


手当してきた山崎が言うのだから


回復する見込みが少ないということを


土方は瞬時に理解した。



土「どうすることもできないのか?


武士が女一人の命も守れず、


情けねぇ。」