「はい。」
子供が村入口に向かって走り出した。

村の奥に進むと、人間に出くわしたがすべて切り殺した。
生き残っている村人は村の外へ逃げるよう言い捨て
自分の住んでいた家があった場所へ急いだ。

どうか、生きていてほしい。
そんな思いとともに冷静に対処しなければ村にいる全員が死んでしまうと
考えている自分もいた。



進んでいくとすでに屋敷は炎に覆われ崩れていた。
その建物の近くに探し続けていた二人はいた。
まだ敵が近くにいるにも関わらず、私は二人に近づこうと急いで走っていた。
「父上！母上！」

「柚月、こっちへ来るんじゃない！！」
父上が焦った顔で私に叫んでいた。よく見ると腕が縛られており護符が貼ら去っていた。
「えっ・・・んぐっ！」
後ろから誰かに猿轡をはめられ、父上と同様に縄で縛られてしまった。