「お前、清平だな?」
不知火が帯刀し姿を現した。
妖狐本来の姿を晒してーー。
「やっときたか…?
遅いではないか、こんなに無駄なものを切ってしまった!」
「いつの間にこいつに術をかけたのだ?」
「お前が昔より強くなったのは知っているが、わしだって強くなったに決まっておろうが。
お前の結界なんぞくぐり抜けるなんぞ容易なったぞ?」
「清平、この娘をどうするつもりだ。」
「なぁに、人間共のつまらない争いごとにうってつけの玩具として使うんだよ」
「何…!?」
「不知火。新撰組というヤツらがこいつを探している。
そして、長州の浪士たちはそいつら幕府を殺す駒が欲しい。
これよりうってつけのがおるか??
いや、否だ。」
笑いながら清平はいった。
「返してもらおうか?そいつは俺のものだ!」
「はははっ!こいつに惚れたか?
なら、力づくで奪ってみろ!」