美羽はため息をついた。


「やっぱりそんなことだと思った。じゃなくちゃ二股なんて出来ないもんね」


嫌味を並べる美羽。


乃愛は俯いた。


「じゃ、次。何でこんなことしたの?」


「…二人とも気になってたから。その二人に告白されたから」


恭也くんは制服のボタンをいじりながら答えた。


「…嘘ね。あたし、まだ覚えてるんだ。芹沢くんは嘘をつくとき制服のボタンをいじるよね?」


え?


私と乃愛はギョッと美羽を見た。


「あ。あたしね、言ってなかったけど、芹沢くんと同じ中学だったの」


そこで小さな衝撃を受ける。