夜景だのイルミネーションだのと燥いでたけど、相当な寒がりだった筈だよな。


……それなのに外へ出たがるか?
コタツでケーキ食う方が好きなんじゃね?


「……けどな、それじゃーあんまりか」


男と初めて過ごすイブだと言うのなら、それなりの事してやらないとヤバいよな。

初チューみたいな黒歴史作ったら、後でどんな仕返しされるか分からね。

教えてやる…って言ったからにはそれなりにいいトコも見せないと、本気になってもらえそうにもねぇからな。



「……思い出に残るイブか……何してやろう……」


どうすっかな~と考える辺りでベタぼれなんだよ。
菅野の喜ぶ顔が見たい為に動くなんて、俺も相当健気な男だよ。



「またチューできるといいなぁ……なんて、暫く無理か……」


ハハハ…と空しく笑い飛ばした帰り道。
俺の知らないところで、菅野が黙々と悪巧みを考えてるなんて、ちっとも知らなかったよ。