「うん!」

悩むのは後にして、今、この場を楽しもう。

そして、できることをするんだ。少しでも、私の存在を恭君の意識に深く刻むために。

「あ、さっき渡そうとしてたやつ。」

そう言って恭君が紙を差し出してくる。

「え?でも姫菜乃ちゃんが言ってたように私もう・・・・。」

恭君のノートのコピー超ほしいけど、姫菜乃ちゃんがさっき言ったのにもらうのは・・・・。

「まあ、あいつは学年一位だもんな。そいつのがあるのに二位のノートなんていらね―わな。」

は?

「やっぱ、おれはしょせん二位なんだよ。こんなガラで一位目指すってのもなんだけどさ。あーあ、実感するわ。一位と二位の差。もう俺なんて・・・・。」

勘違いしてる上に、落ち込んでる?どうしたら・・・・

「えっと、その・・・・あの、二位とか一位とかじゃなくて、もらったから・・・・。」

私が焦って言うとニヤッと笑う恭君。

「わかってるよ。焦りすぎ。俺の演技そんなにうまかった?」

・・・・爆笑される。そんなに変だったかな。ていうか、演技とかひどくない?

「ははっあははははは・・・ふふふふははははははあはははははははは・・・・・。」

・・・・長い。そこまで笑う?

「何がおかしいの?そんな変でした?笑いすぎだよ。」

カチンと来たから言ってやった。男子にこんなこというの、めずらしいな。

「あははっはははは・・・ゴホっ・・・。やッば、めっちゃ笑った。だってお前、おれの演技にあっさり騙されんだもん。泣きそうな顔してるし、行動変になるし。」