side 真夏

「真夏―。大丈夫?学校行ける?」

あ、朝か。だいぶ寝たな―。

「熱、下がったの?」

あ、お母さん。いつもより起こし方優しいな。病気も悪いことばっかりじゃない。

「うん。もう、学校行けると思うよ。」

「じゃあ、早く準備しなさいよ。」

昨日準備してなかったから、急がないと。

天パに寝癖がついて、すごい状態だった髪を直して、教科書とかをそろえたらもうぎりぎりになった。

ヤバイー、急がないと!

「病み上がりなんだから、走っていくとかやめてよ―。」

お母さんが後ろから言ってきたけど、それは無理!

「行ってきまーす。」

駅まで走らないとな。

電車もぎりぎりだろうし・・・・。