「じゃあね、真尋ちゃん。真夏ちゃん。」

ゆりちゃん家から出て歩き出す。

「ねーちゃん、よかったね。それ、読みたかったんでしょ?」

「うん。ゆりちゃん、サイコー!」

我ながら、ガキっぽいって思うけど、マンガ、すっごい嬉しい。

早く読みたいなー。

後ろから自転車が来た。よけないと・・・

「真夏?」

自転車が私の横で止まる。

「・・・・恭君。ど、どーしたの?」

びっくりした。さっき、普通にするの頑張ろうって思ったけど、早いよー、どうしよう・・・・。

「どーしたって・・・・あれ、おれん家。近所なんだから、いてもおかしくないでしょ。」

このあたりだったんだ。って、めっちゃ近いじゃん。

「その子、だれ?」

真尋を指して、恭君が言う。

「ああ、妹だよ。」

「へー。天パ、そっくり。」

やっぱりかー。

「・・・・よく言われる。」

「あの!」

真尋が恭君に呼び掛ける。どうしたのかな?

「ね、ねーちゃんの彼氏さんですか?!」

な、なんてことを。

「ちょっ、ちょっと真尋・・・・」

「んー。どうでしょう?」

謎めいた笑みで恭君が応じた。

・・・・かっこいいな・・・・。

でも、今はそんなこと言ってる場合じゃない。