急いで支度をして家を出る。ほとんどいつもとかわらない。

でも、髪のセットとか制服の着こなしとか、すごく気を使った。

いつもは、天パも放置だけど、アイロンして、ストレートにした。

好きな人ができると、こんなに気持ちが変わるんだ。私は少し驚いた。

幼稚園児でも、小学生でも、中学生でもない、高校生の私の恋。

・・・うまくいきたい。心の底からそう思う。できることは、全部しよう。終わる日まで。

いつもの道が、駅が、電車が輝いて見えた。


「おはよー、姫菜乃ちゃん。」

「おはよ。なんかいいことあったでしょ?」

さすが姫菜乃ちゃん。長い付き合いだもんね。

フフと笑ってから、私は言った。

「好きな人ができたの!」