「真夏が恭を好きだって言ったときね・・・・・あ、高校入ってからじゃないほうね。ずっと、すきだったけれど、真夏のおもいを知ったからあきらめようって思った。

女子の暗黙のルールでしょ?好きな人を聞いたら、自分がどう思おうと、応援するべきであるって。

だから・・・・私はそれに従った。

でもさ、あきらめられなかったんだよね。すきでいちゃいけないのに・・・・って何度も思ったし、罪悪感もあったんだけど。

どうしたらいいか、大分迷ってたどり着いたのはだったら、黙っておけばいいってことだった。

私は少女マンガのようにお互いの思いを打ち明けて、泣いて、それでもまた友情を深めあう・・・・的なことはできないと思った。・・・・だって、真夏だよ?絶対に気を遣いだす・・・・・ごめん。今のは奇麗事だね。真夏に嫌われるのが嫌だった。っていうのもあるけど、まあ、純粋にめんどうくさいじゃん?周りにもいろいろ言われて、お互いに気まずくなるのって。

絶対に悟られないようにするってきめて、最初はよかったんだけど、だんだん、きつくなってきた。大きくなる恋心とか、隣で平和に笑う真夏への罪悪感とか。

恭がアメリカ行った時、さみしかったし、悲しかったけど、ほっとした。もう、真夏もあきらめてくれるだろうから、私は罪悪感に悩まなくていいんだって。自分が恭をあきらめるって選択肢は、もうなかった。

でも、真夏はあきらめなくてさ・・・・意外と芯が強くてびっくりした。

恭が手紙のこしていったでしょ?あれ、運命を願うなんて書いてあったの、真夏だけだよ。

まあ、それはまたでいいか。

高校に入ったら、恭がいた。燃え上がったけど、真夏もいるから、素直には喜べなかった。

真夏が正々堂々とがんばってる間、またきつくなっていった。

今度は、なんで私が我慢しなきゃならないの?って。だから真夏が恭のことを話す時に見せる笑顔とか、弾んだ声か、ものすごい腹が立った。でも、表には出せないから、心の中で押しつぶした。

で、耐えられなくなったから、今の状態。

そんな感じですね。だから、真夏が言ったことは間違ってない。一応聞いてほしかっただけ。

もう、私振られたから関係ないし・」