「いつ、目が覚めたの?」

何て言えばいいのかわからないから、とりあえず聞いてみる。

「2時くらいかな。今まで暇してたから、来てくれてよかったよ。」

・・・・いつもの、ひとをよせつけない雰囲気がない。

まるで、昔の恭君が帰ってきたみたいな・・・・。

でも、全部が一緒ってわけじゃないな。大人っぽいし、落ち着いてる。

「・・・・私のこと、気付いたのは?」

やっぱり、気になる。

「目が覚めてから、すぐ。ぱっと思い出した。」

「近くにいたのに、気付かなかった。」

それは私が変わることができたからなのかな。あの頃の私じゃなくなってたから、気付かれなかったのかな。

・・・・うれしいのか、寂しいのか、複雑な気持ち。

「本当に、全く気付かなかった?」

寂しい気持ちが、私の口を動かした。いわないほうがよかったかな?まだ好きだって、勘違いされるかも・・・・

「似てるとは思ったけど、まさかと思って。でも、真夏があの子ならいいのにって何度も思った。会いたかったから。俺の思いを伝えたかったから。」

「そっか。」

他に言えることがない。

沈黙が流れる。

ずっと待ってた再会なのに、何で私、落ち着いてるんだろうな。

恋じゃなくても、幼馴染として十分喜べるはずなのに。