ここは・・・・小学校の教室?

「まーちゃん。」

私を呼ぶ声に振り向くと、小学五年生ぐらいの男の子が立っている。

・・・・恭君だ。

「何?」

ちょっと言いにくそうに、視線をそらす恭君。

「あ、のさ、さっき、あいつらに言われて思ったんだけどさ・・・・」

あいつらって言ったところで、窓際の机に群がっている男子たちのほうを見る。

「俺、もう、まーちゃんっていうのやめる!!!!」

「いや、ね、あの、この齢で、まーちゃんって呼ぶのも、双方いいことがないなと思って。あいつら、ガキだから、そういうの全部恋愛のほうに持っていくしさ。まーちゃ・・・・そっちは、そういうの嫌いだろ?」

とつぜん大声で言われたもんだから、ちょっとびっくりした顔をしていると、あせった顔をした恭君がまくしたててきた。

「いや、いいけど。じゃあ、なんて呼ぶの?」

うーんと悩む恭君。

「三田・・・・は他人行儀だし、真夏ちゃんはおかしいし・・・・真夏でいっか。」

オッケー と返そうと思ったけど、意識が消えて、それはかなわなかった。