「今日は、病院まで来てくれてありがとう。」

ありがとうって・・・・私が悪いんだけど・・・・・・

あ、そっか。お医者さんにしか話してないから、本当のことを先生は知らないんだ。

私はただの現場に居合わせた人になってるんだろうな。

まあ、そのほうが、生活はしやすいけど、だましているようで申しわけない。

恭君の手術が終わったら、言おう。どんな結果になったとしても。

「いえ、お役にたててよかったです・・・・。あの、恭君の手術っていつですか?」

「1週間後よ。それまで、病院に毎日いかないといけないんだけど、それがね・・・・。」

え?なんだろ。

あ、そっか。さっきお医者さんが言ってたね。先生忙しいからなー・

そうだ、・・・・・でも・・・・・・、よし、聞いてみよう。

「あの、先生は忙しいから毎日来るのが難しいですよね?誰かほかの家族の方はいらっしゃらないのですか?。」

これは、失礼だったかな?

でも、なんとなく気になる。

「はー。」

篠本先生がため息をつく。

あ、やっぱりまずかったかな?怒られる?

「あの、無理には・・・・」

「いや、いっておくべきかもね。いつもあなたがそばにいてくれたんだから。

先生がかぶせるようにいってくる。

「あのね・・・・」

先生は語り始めた。私が知らない、恭君の過去を。