そんなことをずっと考えていると、あっという間に下校の時間に。

落ち込んでいる私に気付いて、姫菜乃ちゃんが声を掛けてくれた。

「ねえ、どしたの?いやなことあった?」

もう限界。私は話した。

「・・・・恭くんがいたの・・・・。」

「うっそ。良かったね。一番会いたかったでしょ。」

わりと冷静だな。姫菜乃ちゃん。

「・・・・忘れられてたの。
 私一人で舞い上がっちゃってさ。ホント、バカみたい。
 もうやだ。
 あの手紙を信じたのがバカだった。すごい恥ずかしい。
 あんなに変わってしまって。
 こんなことなら、会いたくなかった。
 理想のままで、夢を見ていたほうが良かった。」