「あきらめたんだって。さっきも言ったよ?」

「じゃあ、はっきり好きじゃないって言える?あきらめたとかじゃなくて、はっきりと。」

そんなの、言えるに決まってんじゃん。

「私は恭君のことなんか・・・・」

恭君と再会してからの記憶、そして昔の記憶が頭によぎる。

「恭君のことなんかす、き、じゃ・・・・」

・・・・どうして、言えないの?言わなきゃ。

でも認めたら、あの時間はどうなるの?

何で涙があふれるの?ねえ、終わらせたんじゃなかったの?

「真夏ちゃん。これが答えなんだよ。まだ好きだったんでしょ?でも拒絶されたのにって思ったから、諦めたふりをしてた。違う?」

そうなのかな?いや、そうだ。

姫菜乃ちゃんに宣言までしちゃったから、その気になってたんだ。

でも、もう、好きでも何もできない。私がどういう感情を持っていようと、恭君は私を拒絶したんだから。

「フ―――――。うん。ゆりちゃんの言うとおりだったかも。このまま終わるのは、今の私には無理だと思う。あの時間を呪いにしたまま生きるのはいやだから。」