[姫菜乃ちゃん?どうかした?」

カラオケ中に何かあったかな?私へたすぎて気持ち悪くなった?

「ううん。・・・・・」

黙り込む姫菜乃ちゃん。

え?何があったの?そんな重大な事?

聞こうとしたら、姫菜乃ちゃんが口を開く。

「真夏、話がある。」

なんだろ、改まって。

その雰囲気に、自分の背中が伸びるのを感じる。

「ホント、真夏にとっては余計なお世話かもしれないけど、恭のこと・・・・・ちゃんとしたほうがいいんじゃない?」

あ、そのことか。でも・・・・

「急にどうしたの?それに、ちゃんとするってどういう事?」

なるべく、感情を出さないように微笑みながら聞く。そうとでもしないと、何かが堪え切れなくなりそうだもん。

「真夏だって、分かってるんじゃないの?自分がまだ恭のこと好きだって。」

は?私が?

「何言ってんの、姫菜乃ちゃん。そんなこと、私が恭君になんて言われたか知らないから言えるんだよ。」

ヤバイ、結構きつく言っちゃった。抑えないと。姫菜乃ちゃんに迷惑をかけちゃいけない。