「姫菜乃ちゃん、すごーい!2番とか、すごい感情こもってたよ。いい点数出るって!」

歌い終わって、疲れた顔をしている姫菜乃ちゃんをほめたたえる。

いやー、すごかった。

「真夏、次歌ってていいよ。私、調べたいものがあるから。」

姫菜乃ちゃんがそう言って、スマホを取り出す。

なんだろ。まあ、いいか。歌おう。

うん、これだ。

再び熱唱。もう、嫌なことなんか、忘れちゃえ!

歌うのって楽しいな。今度からストレスたまった時とか、一人カラオケしようかな。

それはさびしいか。

「あの日のまーまの私は―、伸びた前髪も―認めたくない―、何もか―わーってな―イ―♪」

ここの歌詞、一番好き。なんか、分かりやすいし、共感できそうなんだよねー。

なんて考えてたら、曲が終わった。

もうひたすら歌ったから、ネタ切れ状態。

どーしよーかな。

ちらっと姫菜乃ちゃんを見ると、思い詰めたような表情をしている。