「あ、姫菜乃ちゃん、おかえりー。」

足で器用にドアを開けて、姫菜乃ちゃんが入ってくる。

「はい、真夏。オレンジジュースでいい?」

あ、私のまで持ってきてくれたんだ。良かった。ちょうどのどかわいてて・・・・。

叫びすぎたかな?

「うん。ありがと。」

さっき入れておいた曲が流れだす。

「あ、始まったよ。」

姫菜乃ちゃんがタンバリンをたたき始めた。

あんま、そういう感じの曲じゃないけど。失恋ソングだし。

「♪舞い落ちる花びらー、ほほをつたーうしーずくー、あの日二人で見上げてたー、景色―に今ただ一人―♪」

全部、わりとうまく歌えて、満足。

よし、次は・・・・

あ、姫菜乃ちゃんに歌ってもらわないと。一緒に来てるんだし、私ばっかじゃいけない。