あたしはあなたの味方だよ。


あたしとまいかとノノは、

当たり前だけど一緒のクラス。

なんで当たり前かというと、理事長兼校長

は、あたしの知り合いだから。

教室に入ると、名の知れた族が一個。

──「翠竜」/スイリュウ──

総長 ゆうと 副総長 りく
幹部 かずや、せい、れんじ、きょうや

せい、は翠竜でたった1人の女の子。

関東では一番強いらしい。

始業式は案外はやく終わって、今日は

自己紹介して、解散みたいだ。

自己紹介、したくねぇな。宜しくして

もらわなくていいし。

「── ──です。宜しくね!」
パチパチ…

「あ、ぅ、ヴ、ヴァン・ノノで、す。

一年間、よろしく、お願いしますっ!」

パチパチパチ

かーわいーなぁー、ノノは…

ちっこくて、守りたくなるわ。

「…サさん、アリサさん!」

あっ、あたしか、、

「…ヴァン・アリサ。」

「それだけですか?妹さんと違って

随分と愛想がないのね。」

よけーなおせわ。

なんだ。どーでもいい。なんか、やににってきた。

「じゃぁ、愛想って身につくものなの?」

聞き返すと、先生は濃い化粧の顔を真っ赤

にしてどなっていた。が、あたしは聞いて

ない。

その先生は、翠竜のメンバーのときは

やけに笑顔だ。ひいきする先生、めんどくせぇ。


見てるだけで、腹が立ったので、

教室からでることにした。

アリス「ガダ…うざいんで、出ます。」

ガラッ、ガラッ。

暇になったので、

屋上に行ってみた。近くだったし。

案外キレー。

授業はここでさぼろう。

そして、まいかに授業中に出てったことを

しっかり怒られ、ノノと一緒に家に帰った。


ノノは衝撃発言をした。

「翠竜の姫になれっていわれた。」

「………は?」

「いい?」

「いや…翠竜は正統派だし、ノノが

なりたいんだったら、文句言えないけど」

そういうことで、ノノは

翠竜の姫になった。

高校生だし、自由にさせてあげたらいいだ

ろう。って思った。楽しいみたいだし。

 
ノノが言うにはあたしが羨ましかったらしい。

信頼できる仲間がいて、副総長のこはく

とつきあってて、幸せそうだったから。

って…

「ひとつ、忠告するけど、

家系のことは今は言わないことね。

あと、族はそんなに甘くはないわよ。

姫っていうのはいつねらわれるかわかんな

いのよ。」

「うん。ありがとね、お姉ちゃん。」

かぁわぁいぃーー♡

それから

あたしとノノはあまり顔を会わせなくなっ

た。

授業はあたし、受けてないし、

あれから学校行っても屋上だし。

放課後は彼氏のこはくと自分の族の倉庫に

行ってるから。

たぶん、ノノも翠竜の倉庫にいるんだろーなー。



最近は、まいかも授業中はあたしと

屋上にいるようになった。

ノノとはあたしが家に帰って寝るまでの

2時間と朝の30分しか喋らなくなった。

そんな生活を始めて、3ヶ月がたった。

夏休みだ。

ほとんど、家にはいない。

まいかと遊んで、こはくとデートして、

倉庫ではしゃいで、。

でも一週間に一回は家にいえ、ノノと

話すんだった。

「翠竜、おもしろいよ。

総長がね、お姉ちゃんに会いたいって。」

「いや、それはちょっと…」

「うん、だよね。お姉ちゃんと

話すのって落ち着くなぁ。」

可愛すぎる。あたしの癒しだ。

「フフっ、あたしもよ、ノノ。」

パパとママも仕事が落ち着いて、帰れる日

はおおくなった。って言っても、

パパは家の別館の平家に籠もってるけど…

パパは、組長だからね…

ほとんど、外にでれないけどね。



家族みんなで、

幸せに過ごした。

夏休み…

もう少しで、ノノは傷つく。


「ねぇ、知ってる?


…うさぎって寂しいと死んじゃうんだよ。」



夏休みがあけ、

学校にはたくさんの生徒、あたしは

ノノが学校を出た2時間後に

家を出て、屋上へ直行した。

ノノが言うにはこの日は

星座占いが最下位だったらしい。

あたしが屋上に行ったらちょうど雨がふりだした。

「あちゃー、倉庫いくか…」
倉庫につくとまいかがいた。

「あ、アリサ、雨振るって天気予報

なかったのにねー。

あたしは倉庫の気分だったからラッキー」

「クソ…ちょー濡れたよ。」 

倉庫にあるお風呂に入ってそれから

倉庫で夕方まで過ごした。

ノノside

今日は星座占いが最下位だった。

あさの10時頃から雨がザーザー降り出した

天気予報、晴れだったのにな。

あたしは、雨が大の苦手で、憂鬱だ。

しかも今日はあたし専用の運転手さんは

お休みの日帰り、どーしよ。って考えてた

翠竜はバイクだから、雨で濡れちゃう…

でも、送ってもらお。

そう考えてた。


り「転校生がくるらしいよ」

朝、副総長のりくが言った。

せ「へぇー、女の子かなぁー!」

聖ちゃんは、女の子の友達がいっぱい

欲しいみたい。

ゆ「ふわぁー。」

ゆうとは興味なさげにあくびをする。

良かった、女の子でも興味ないみたい。

あたしとゆうとはつい最近付き合い始めた


すごく楽しい。
毎日、楽しい。
お姉ちゃんは優しくて、美人さんで、
あたしの理想。喧嘩も物凄く強い。

ゆうとはかっこよくて、気遣い屋さんで、
自慢のあたしの彼氏。

ほかにも族のみんな、仲間、大切な。

幸せだなぁ。

この幸せは長くは続かない…