「ちょっと黙って」




私とアマテラス様は、ほぼ同時にその声の発声源へと顔を向けた。



ただ、アマテラス様は私と違って、どこか楽しそうな顔つきだったけど。




発声源は…



さっきの黒髪の、男の子。



綺麗な瞳が私をとらえる…ちょっと冷たそうな。



…なんだか怖い。




「自覚とかなんてどうでもいいんじゃないの。

どうせ受け入れなきゃいけないことだし」




「まあそうですね、冬斗。

ただ、人の話中に割り込むのはいけませんよ…


あなたには、彼女の表情がちゃんと見えていますか」



私の、表情…?



ぺた、と手で顔を触る。




…もしかして、引きつってたかも。




「…分かってる。

俺に見えないものはあっても、表情ぐらいは見えるから」




…えっと、なんの話ですかー?



置いてかれた感があるのですが…






「まあ、秋奈」




そんなことを思ってた矢先、冬斗さん?が、アマテラス様から私の方に顔を向けた。




「俺らの使命はただ一つなんだ。

それを遂行することが、俺らの使命であり、義務なのだから」




「…いや、さっきからなんなんですかあなたたちは。

私を早く孤児院に返してもらえませんか?」




「…秋奈に、家族はいないでしょ」





胸が、キリリ…と、静かに、痛んだ。


なんで…この人、知ってるの?