それからというもの毎日通い続けては追い払われるの日々を1ヶ月程度続けた。


すると、ある日突然に信生から

「もう、あんな頑固親父ほっといて駆け落ちしよう。」

と持ちかけられた。

「駆け落ち?」

「そうだよ!私が、結婚したいって言っているのにひどいよ!」

信生は、どうやらお義父さんと喧嘩したようだ。

「………ねぇ、信生?駆け落ちしようと思ったらね、いつでもできたんだよ。お金ならね結構あるんだよ親の遺産とか。けど、そうしなかったのはねなんでだと思う?」

そう聞いたら、信生は小首をかしげた。

「それはね、俺はお前とだけ幸せを感じあいたいわけじゃ無いんだ。例えば子供が出来て生まれた時俺は、健一さんや美桜湖
さんともその喜びをわかちあいたいんだ。
家族だからね。俺は、信生を含めるその周り全部と幸せになりたいんだよ。だからねそこにお義父さんとお義母さんがいないのは俺が寂しいんだ。俺、あの二人のこと大好きだからさ。」

「あんな頑固親父でも?」

「お義父さんは信生の事が大切だから俺みたいな奴にあげたくないんだよ。その愛情がさお義父さんと話してるとすごく伝わってくるんだ。だから、毎日通ってお義父さんに怒られながらも俺は、お義父さんの愛情を見てかっこいいなって密かに思ってた。」

「会話っていう会話なんてしてないのに」

「いつもお願いしますって言ってるだろ」

「あれ、会話に入るの?」 

「はいるはいる」

そう言って信生の頭をなでた。