「った、やば…」


試合中、着地の時に相手の足を踏んで転んでしまった。


思いっきり捻ったからたぶん捻挫だ…


しかも、相手はさっきのイケメンさん。


「わ、ごめん、大丈夫?」


「たぶん捻挫しました…大丈夫でしたか?」


「オレは大丈夫だよ、立てる?」


「…っ!」


立とうとするけど、痛くて立ち上がることができない…


「ちょっと夏樹、大丈夫?!」


あ、歩…


「ご、ごめん…」


「ごめんじゃないよ!冷やさないと!保健室に…」


「オレが連れてくよ。ちょっといい?」


ひょいっ


え、いや、は?


え、まってまって。


お姫様抱っこ???


「えっええっ?!!あのっいいです重いですから自分で…!」


「いいよ、オレも悪いんだから。それにその様子じゃ歩けないでしょ?」


う、うわわわわ。


人生初お姫様抱っこ…


は、恥ずかしい。


先輩とかめっちゃ見てるし…ニヤニヤしてるし…


佳子なんか写真撮ってるし!!!!


「あ、あの、すみません…」


たぶん顔、真っ赤だ。


「いいよいいよ。さっき重いって言ってたけど、全然重くないよ?投げれるくらい」


「そ、それはやめてください…」


「はは、嘘だよ」


校舎と体育館を繋ぐ渡り廊下を抜け、校舎の中に。


ていうか、冷静に考えたら、この状況かなりやばい…


初対面の人にお姫様抱っことか、少女漫画かよ…??


しかも、相手はイケメン。


やば、なんかいい匂いする…